梅の花が咲いています。あんずの花も間もなく咲きます。桜も楽しみです。こんなに悲しいことがあっても春はやってきてくれるのです。花々が応援してくれます。元気にならなくちゃ♪今年も野山には山菜がたくさん出てきます。畑も緑になります。
味噌醤油を作っていた2代目が、戦争中原料がなくなって
廃業を覚悟した時、もしかして花々を見て、野山を見て元気をいただいたのかもしれません。野山に行ってふきを採り、ご近所に山ゴボウを作っていただき、漬物佃煮製造業として再生したことを、今しっかり思い出しました。
善光寺や温泉のお客様が減って、地元も会社も大変ですが、東北の人たちのことを考えたら、贅沢を言えないと思っていました。観光のお客様は減る一方・・・そんな中、地元のお客様から、元気をいただきました。
「福島の親戚に送るのよ」「東京の娘にお米と一緒に送るのよ」「この漬物は冷蔵庫がなくてもおいておけるからいいのよね」「まぜご飯おいしいわよね」など・・・・
そうでした。いつも自分で話していること。
だから、自信をもって
キャンペーンを始めました。お得な価格設定にしてお客様に喜んでいただきます。そして1セット100円ずつ義援金にします。
この機に乗じて!というわけではありません。
お客様も私達もみんな元気でなければ、東北の皆さんの応援はできないことに気づかされたからです。 しかも、私達の原材料となる野菜や山菜の産地は長野県の次に東北が多いのです。たくさんのお客様に召し上がっていただき、今年はもっとたくさんの材料を買いたいです。
2代目のお祖父ちゃん、お祖父ちゃんも大変だったのですよね。見守っていてくださいね。
今日、神戸から”いかなごのくぎ煮”が届きました。
神戸の震災の時、人ごとに思えませんでしたので、救援物資としてにんにくの醤油漬を送りました。するとたくさんの方がお礼の電話やお手紙が届きました。その時、手作りのくぎ煮を送ってくださった
足立様とは本当に長いお付き合いになりました。手紙と電話の交流を10年ほど。2006年の夏に大阪出張の機会があり、思い立って神戸まで会いに行きました。涙を流しながら手を取りあったことを昨日のように思い出します。
今日届いたくぎ煮は息子さんが送ってくださったものです。足立様はその年の大晦日に静かに亡くなられたからです。息子さんが、私に会えてとても喜んでいたと教えてくださいました。思い立って行ってよかった・・・ そして、その大晦日という日は偶然にも私の父が空に昇って行った日でした。くぎ煮を食べながら、そんなことを思い返していた時、ふと、亡き父の言葉を今鮮明に思い出しました。
「お父さんのお父さんは
関東大震災の後、この町に来たんだよ」・・・そうだったのです。私は震災の被災者の孫だったのです。父は娘にもっと話したいことがあったのでしょうに、若いころの私は父の話をいつも聞き流していました。祖父は震災で東京下町の家が焼け、命からがらこの千曲市に来たのでしょう。いつか東京に戻りたいと考えていたかもしれません。しかし、その後の東京大空襲で長女を亡くし、もはやこの千曲市が故郷、ここで生きていこうと決意したのでしょうか。父も祖父もここを自分の安住の地と願い、多くの被災者同様一生懸命働いたのでしょう。今となってはその時の様子を尋ねることはできませんが、
自分たちを受け入れてくれたこの土地、この自然豊かなこの地に感謝して生きた二人の思いがわかるような気がします。
飛んで行け鳩よ 汚れた空でもやり直せるときはまだあるさ
たとえ異国のようだと思っても
愛する場所と思えるなら祖国だ
愛する人がそばにいるなら祖国だ♪