昨日から、地元のSBCラジオでCMを入れることになりました!
いつか
木の花屋の思いをCMでお伝えできたら、と常々考えており、運転しながら時折好きな音楽にあわせて自称コピーライターをきどり、ブツブツしゃべっておりました。
信州の美しい山々や自然を、そしてそこから生まれた風土を大切にしたい・・・
まだ私が小さかった頃、山間部に住む母方の祖母の後を追って、カラマツの林を歩いたことがあります。まだ暖かいとはいえない季節で、カラマツの枯葉を踏みしめながら、おぼつかない足取りで一生懸命追いかけました。やっと祖母に追いつき、その背中を見上げた時、優しくしかし力強い祖母の後姿と、朝露を携えたカラマツの新芽のまぶしいほどの美しさに心を打たれました。
また、大地に寄り添うようにひっそりと咲く「春蘭」に、幼いながら心を引かれ、その名を祖母に尋ねました。その不思議な名に思わず笑った私です。今も、私にとっては「春蘭」は『ジジババ』です。
小学校に上がった頃、学校からの帰り道、まだ穂の出ない麦畑の横を通った時に強い風が吹きました。さっきまで同じ背の高さでお行儀よく並んでいた深緑の麦の葉が、突然激しく撓りました。まるで畑の上で踊っている風の姿が見えるようで、しばし見とれていた私でした。
先日、尊敬する”棟梁”から、NHKラジオの「心の時代」という番組で紹介された長野県のある元校長先生のお話について伺いました。山間部の小学生が「桑の葉の落ちる音」と言ったそうです。風に吹かれてバサバサと落ちる音ではなく、ある静かな冬の日、役目を終えるようにひっそりと幹から離れる時の音だそうです。
本当に聴こえるのでしょうか?
心で聴く音なのでしょうか?
真偽は別として、その純粋な子供の感性を今の日本の大人達は育てているでしょうか?
踏みにじってはいないでしょうか?
私達は大切なものを忘れてしまっているのでは?と話合いました。
実際、私も子供の頃の大切な記憶を忘れていました。
と言うわけで、CMのメッセージは・・・
木々をわたる風が見えますか?
花々の咲く音が聴こえますか?
大地のぬくもりを知っていますか?
木の花屋は
漬物を通じて
あなたのこころのふるさとになりたい、
と願っています。
曲は、ザ・ネイチャー・ボイセスのその名も、「望郷」です。